名古屋市鶴舞線いりなか駅近くの女性医師による精神科・心療内科|りさ杁中こころのクリニック

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2022/01/27 : 「心療内科は早めに受診した方が良い」は本当?|りさ杁中こころのクリニックのブログ

さまざまなメンタルクリニックのホームページで、「気軽に早めに受診を」と呼びかけています。今回は、精神科・心療内科は、本当に早めに受診した方が良いのか?それは何のためなのか?について、ご説明したいと思います。


結論から言うと、「早めに受診した方が良い」というのは本当です。なぜかというと、症状を発症してから治療を開始するまでの期間が短い方が、治療が効きやすいからです。


発症してから治療を開始するまでの期間のことを「duration of untreated illness(DUI)」(幻覚や妄想の場合はduration of untreated psychosis(DUP)」というのですが、統合失調症やうつ病、パニック障害、強迫性障害などの疾患で、DUIが短い方が治りやすいということがわかっています。


また、まだ「何かのこころの病気がある」とは言えないほど、症状が少ししかない時期に治療した方が予後が良いとわかっている疾患もあります。


「精神科を受診すると薬がやめられなくなるのでは?」と思われるかもしれません。確かにそれは、早めに心療内科を受診する際に気をつけないといけないことです。


心療内科を早めに、比較的軽い症状で受診した際、あまりもらわない方がよい薬は「ベンゾジアゼピン系の精神安定剤」や「ベンゾジアゼピン系の睡眠薬」です。その一番の理由は、依存性があり、やめられなくなる可能性があるためです。せっかく早めに受診したのに、薬をやめられなくなってしまっては元も子もありません。


(※ ベンゾジアゼピン系薬剤が悪い薬だと言っているわけではありません。ベンゾジアゼピン系薬剤はカタトニア症状の場合は第一選択となりますし、不安症の治療薬として有効性も確立されています。ただ、依存性があるため、早期治療の第一選択とはならないということです。)


薬全般がよくないということではありません。たいていのこころの病気は、プラセボ効果も高いため、何かしら薬を飲むことで得られる効果は大きいものです。ただ、診断を満たさない程度の、軽いもしくは短い期間の病状であれば、やめやすく副作用のリスクの少ない薬が良いと思います。


早めに受診することをお勧めする一番の理由は、「こころの病気への対処法を正しく知ってもらうこと」です。こころの病気は、悪循環に悪循環が重なって、症状が悪化したり続いてしまったりするものなので、悪循環が比較的軽い、対処しやすいうちに対処していくことで治りやすくなるものです。


少なくとも当院では、早めに軽い症状で来られた場合に、患者さんが希望されないのに薬を処方したりすることはございませんので、どうぞ気軽に受診ください。




りさ杁中こころのクリニック 院長
今井理紗

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