強迫性障害(強迫症)
強迫性障害(強迫症)とは
強迫性障害とは、強迫観念や強迫行為によって生活に支障が生じている疾患です。
■ 洗浄・清潔に関する強迫:何度も繰り返し手を洗ってしまう、お風呂で体を何回も洗ってしまうなど
■ 確認に関する強迫:鍵の確認や火の元の確認を何回もしてしまうなど
■ 対称性に対する強迫:左右対称に並べ直す、順番通りに並べ直すなど
強迫性障害(強迫症)の診断
症状の程度
多少の強迫観念・強迫行為は健康な人にもみられます。強迫観念または強迫行為によって時間を浪費したり、生活に支障が出ている場合に診断がつきます。「どの程度の時間をかけていたら病的と言えるのか」については、DSM-5という診断マニュアルでは、目安として「1日1時間以上」と記載されています。
強迫観念や強迫行為に費やす時間が1日1時間程度の軽度から、睡眠時間以外ほぼ1日中強迫行為に費やす(1日中、お風呂に入っているなど)重度の方まで、症状の重さには個人差があります。
新しい診断基準での変更点
不合理性の認識について
以前のマニュアル(DSM-Ⅳ)では、(子供の強迫性障害を除いて)強迫観念や強迫行為を「過剰である」「不合理である」と認識「したことがある」ということが診断基準に含まれていました。
不合理性を認識しているというのは、例えば「本当はこんなに手を洗う必要はないとわかっているのに、繰り返し洗ってしまう」というような状態のことです。逆に、不合理性を認識していない状態というのは、例えば「手洗いの儀式を100回行わないと病気になる」と100%信じていたり、「このぐらい確認して当たり前だ」と感じている状態のことです。DSM-Ⅳでは、「ほんの少しの期間でも、不合理性を感じていた時期があったかどうか」が診断に必須でした。
ただ、この「不合理性の認識」は、経過が長い患者さんだと、当初は不合理だと感じていても、徐々に強迫行為をすることが日常になってしまい、「当たり前のこと」「当然のこと」になってくることも多く、判断は難しいものでした。
現在使用されているDSM-5では、この「不合理性の認識」は診断基準から削除されました。また、「妄想的な信念を伴うもの」というサブタイプができるなど(DSM-Ⅳでは、「洞察に乏しいもの」という名称でした)、強迫観念や強迫行為の正当性について確信しているタイプの方も強迫性障害に含まれるようになりました。
強迫性障害(強迫症)の治療
薬物療法
強迫性障害には抗うつ薬が効果があります。強迫性障害はうつ病などと比べると、薬の効き方はゆっくりなので、薬が効いているのかどうかは1ヶ月半〜4ヶ月程度薬を継続して判断する必要があります。
また、抗うつ薬のみで症状が改善しなかった場合、抗精神病薬を抗うつ薬と合わせて使用すると効果があることがわかっています。
精神療法(≒カウンセリング)
強迫性障害には認知行動療法が効果があります。強迫性障害の認知行動療法は、「暴露反応妨害法」という、「強迫行為」をすることによる悪循環について学び、「強迫行為」をやめる練習をします。
■ 玄関を出て鍵をかけたあと、「鍵が閉まっていないのではないか」という強迫観念が出てきても、鍵の確認をしない。
■ 一度手を洗ったあと、「まだ汚れているのでは」というという強迫観念が出てきても、手を洗い直さない。
頭の中で行っている強迫行為も含めて強迫行為をやめていきます。
診療時間
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