疼痛性障害(慢性疼痛)
疼痛性障害(慢性疼痛)とは
慢性的に痛みが続いてしまうことがあります。そのような場合には、身体的な原因があることもあれば、原因がよくわからないこともありますが、そのどちらの場合においても心理的な要因が関係していることがあります。
疼痛性障害(慢性疼痛)の評価
まず、疼痛の原因についてさまざまな方向から多面的な評価をします。疼痛の要因には、侵害受容性(炎症や組織の損傷による疼痛)と神経障害性(神経が障害されることによる疼痛)、心因性(心理的なことが関係している疼痛)の3つだと言われていますが、どれか一つに決められる場合ではなく、いくつかの要因が重なり合っていることも多いものです。
筋肉の緊張の有無、生じている部位に過剰な負荷があるかどうか(仕事で同じ姿勢を取り続けないといけない場合など)、日内変動、痛みが強くなりやすい状況や痛みが和らぎやすい状況があるか、神経症状の有無、精神疾患の併存があるか、うつや不安の程度、対人関係や社会生活でのストレス要因、痛みに対しての考え方などについて評価をします。
疼痛性障害(慢性疼痛)の治療
疼痛の要因はさまざまなので、評価した結果に基づき治療プランを立てます。うつ病などの精神疾患を併存している場合は、その疾患に対しての治療を行います。筋肉が過剰に緊張している場合や、筋肉に過剰に負担をかけている場合には、生活スタイルやについて話し合います。また、筋肉の緊張は気持ちの緊張からきていることも多いため、リラクゼーション法などを試したり、ストレスについて話し合ったりします。
身体的な要因の有無に関わらず、痛みに着目することで痛みは悪化することがわかっています。そのため、痛みに着目しない方法について話し合ったりもします。
痛みに対しては、薬物療法も用いられます。疼痛治療薬の他、抗うつ薬(デュロキセチンは慢性腰痛症や糖尿病性神経障害による疼痛、線維筋痛症に、アミトリプチリンは末梢性神経障害性疼痛に適応があります)や抗てんかん薬(カルバマゼピンは三叉神経痛に、バルプロ酸は偏頭痛に適応があります)といった内服の治療や、ブロック注射などが効果があるとされています。
また、運動療法も疼痛に対して効果があることがわかっています。痛みがある中で運動するのは大変なことですが、日内変動や生活スタイルを伺いながら、無理のない範囲で運動ができるよう、計画を立てていきます
当院における疼痛性障害(慢性疼痛)の診療の工夫
一つの要因に決めつけない多面的な評価
上に記載した通り、疼痛の原因はさまざまです。ときどき患者さんから「気にしすぎるから痛いんだ」と言われて傷ついたという話を伺いますが、当院では要因を決めつけるようなことは致しません。痛みの原因をさまざまな方向から評価し(小さなクリニックなので限界はありますが)、できそうなことから取り組んでいきます。
診療時間
月 | 火 | 水 | 木 | 金 | 土 | 日 | |
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昼診 | ○ | ○ | × | × | ○ | ○ | × |
夕診 | ○ | ○ | × | × | ○ | ○ | × |
昼診 10:30-14:00 夕診 15:00-19:00