特定の恐怖症(限局性恐怖症・単一恐怖症)
特定の恐怖症(限局性恐怖症・単一恐怖症)とは
特定の恐怖症とは、恐怖の対象が特定の状況や物に限定される疾患(いわゆる「◯◯恐怖症」)を指します。
強い恐怖や身体症状が出るという点では、
パニック症とも共通点がありますが、
恐怖の対象が限定されており、パニック症のように予期不安や広範囲の回避がみられないことが特徴です。
特定の恐怖症(限局性恐怖症・単一恐怖症)の診断
DSM-5では、特定の恐怖症は以下の5つの分類に分かれています。
■ 動物:クモ恐怖、虫恐怖、犬恐怖
■ 自然環境:高所恐怖、嵐恐怖、水恐怖(プールに入れないなど)
■ 血液・注射・負傷:注射針恐怖、採血が怖いといったもの
■ 状況:飛行機恐怖症、エレベーター恐怖、閉所恐怖
■ その他:嘔吐恐怖など
これらの恐怖があり、かつ
パニック症・PTSD・強迫症といった他の不安症の診断基準を満たさない場合に、
「特定の恐怖症」と診断されます。
「こんなことで受診してもいいのかな」と思われる方もいますが、 特定の恐怖症はDSM-5にもICDにも分類されている、正式な疾患です。
特定の恐怖症(限局性恐怖症・単一恐怖症)の治療
特定の恐怖症には、暴露療法を中心とした認知行動療法が最も効果的とされています。 抗うつ薬は特定の恐怖症には原則適応がありません(小規模研究では効果が報告されているものもあります)。 必要に応じて、苦手な状況に接する前の頓服として安定剤を使用することもあります。
リラクゼーション
呼吸法など、身体の緊張を緩める練習を行います。
状況暴露
不安階層表を作成し、無理なくできそうな非常に小さなステップから段階的に取り組みます。
実際の場所や状況に行くことが難しい場合には、写真・イラスト・動画などを使ったイメージ練習も行います。
身体感覚暴露
身体感覚に対する恐怖がある場合、最も負担の少ない感覚から再現し、慣れていく練習を行います。
当院における特定の恐怖症(限局性恐怖症・単一恐怖症)の診療の工夫
初診時に「不安階層表」を含めた丁寧なアセスメントを行い、 呼吸法などのリラクゼーション法もその場で練習します。 2回目以降の診察では、階層表の課題の中から無理のないステップを一緒に選び、練習を進めていきます。
暴露療法に抵抗がある方、課題形式を希望されない方には、 ベンゾジアゼピン系の安定剤を、依存を避けるため場面を限定して慎重に使用する方法も選択できます。
診療時間
| 月 | 火 | 水 | 木 | 金 | 土 | 日 | |
|---|---|---|---|---|---|---|---|
| 昼診 | ○ | ○ | × | × | ○ | ○ | × |
| 夕診 | ○ | ○ | × | × | ○ | ○ | × |
昼診 10:30-14:00 夕診 15:00-19:00

