パニック障害(パニック症)
パニック発作とは
パニック発作とは、動悸、発汗、震え、息切れ、窒息感、胸痛、胸部の不快感、嘔気、腹部の不快感、めまい、
現実感の消失、コントロールを失うのではないかという恐怖、死ぬことに対する恐怖、異常感覚、冷感または熱感といった症状が、
突然出現し、10分以内にピークに達する発作のことを指します。パニック発作は健康な人にも生じるもので、
発作があるというだけでは病気とはいえません。
パニック障害(パニック症)とは
パニック障害とは、パニック発作を繰り返し、「また発作がきたらどうしよう」という予期不安が続く状態を指します。
パニック障害の中には、発作そのものよりも、 「倒れた時に助けてもらえない場所が怖い」「逃げられない状況が不安」 といった外出や移動に関する恐怖が中心となるタイプがあります。 このような状態は広場恐怖と呼ばれ、パニック障害に併存してみられることがよくあります。 外出や移動にまつわる不安が強い場合は、広場恐怖症のページも参考にしてください。
パニック障害の方が避けやすいものには、以下のようなものがあります。
■ 場所
人混み、閉鎖空間、出口のない場所、公共交通機関など
■ 身体の感覚
脈が速くなること、ほてり、空気がモワッとする感じなど
パニック障害(パニック症)の治療
薬物療法
パニック障害に対しては、日本不安症学会/日本神経精神薬理学会のガイドラインでは SSRI(選択的セロトニン再取り込み阻害薬)や SNRI が推奨されています。日本でパニック障害の治療として保険適応があるのは、セルトラリンとパロキセチンです。
お薬をご希望の場合には、症状やこれまでの経過に応じて処方を検討します。
精神療法(≒カウンセリング)
パニック障害には認知行動療法が有効です。
身体感覚への慣れ(身体感覚暴露)や、苦手な状況への段階的な練習を行います。
当院におけるパニック障害の診療の工夫
初診でのアセスメントと助言
初診時には、不安階層表(どの状況がどれくらい不安かの一覧)を作成し、
発作時に使える簡易な呼吸法をお伝えしています。
再診では、行動分析の結果を踏まえて、どのような練習が必要かを一緒に検討します。
行動分析に基づき、必要なアプローチを選択
当院では、行動分析の結果に応じて次のような介入を行います。
- 身体感覚への過敏が強い → 身体感覚暴露(動悸や息苦しさの擬似体験)を行う
- 「不安な考え」にとらわれやすい → マインドフルネスで考えとの距離の取り方を練習
- 睡眠不足が発作を悪化させている → 睡眠衛生指導を行う
マインドフルネスの練習
不安症全般に効果があるとされ、外来の中で短時間の実践を行うこともあります。
漢方薬の処方も可能です
パニック障害では抗うつ薬の副作用が出やすい場合があり、症状に合わせて漢方薬を処方することもできます。
ご家族への説明
「そばにいてほしい」「連絡が取れるようにしてほしい」といった頼み事に対して、
ご家族がどのように対応すれば良いか、診察の中でお伝えしています。
信頼性のあるアンケートの活用
不安やパニック症状を測定するため、信頼性の高いアンケート(STAIなど)を使用しています。
併存精神疾患の評価
パニック障害では他の疾患を併存している場合、
薬の効き方が変わることがあります。
うつ病、双極性障害、PTSDのほか、
身体表現性障害、
機能性ディスペプシア、
過敏性腸症候群 などを併存することがあります。
必要に応じて評価を行います。
外出や移動の困難が中心の場合は、広場恐怖症 のページもご覧ください。
診療時間
| 月 | 火 | 水 | 木 | 金 | 土 | 日 | |
|---|---|---|---|---|---|---|---|
| 昼診 | ○ | ○ | × | × | ○ | ○ | × |
| 夕診 | ○ | ○ | × | × | ○ | ○ | × |
昼診 10:30-14:00 夕診 15:00-19:00

