広場恐怖症(広場恐怖)
広場恐怖とは
広場恐怖とは、「発作や体調不良が起こったときに、逃げられない・助けが得られない」と感じる状況を強く避ける状態を指します。
パニック障害と併存することが多いですが、広場恐怖だけが単独で起こることもあります。
代表的な「避けやすい状況」には次のようなものがあります。
- 電車・バス・飛行機などの公共交通機関
- 渋滞する道路
- 人混み、ショッピングモール
- 1人での外出
- 列に並ぶ場面
- 映画館や講堂など、途中で出にくい場所
「行けない」というよりも、「行けるけれど不安で避けてしまう」という形で現れることが多く、 この回避行動が続くと行動範囲が徐々に狭くなってしまいます。
なぜ広場恐怖が続くのか
広場恐怖の中心は、「逃げられない」「助けが得られない」というイメージです。
その場面を避けると、不安が一時的に下がるため、回避が強化され、ますます不安が強くなるという悪循環が起こります。
広場恐怖の治療
薬物療法
広場恐怖単独でも、パニック障害が併存していても、治療としてはSSRIが用いられます。
状況に応じて、パニック障害と同様にセルトラリンやパロキセチンの処方を検討します。
精神療法(=認知行動療法)
広場恐怖では、段階的暴露(無理のない範囲からの練習) が中心となります。
「どの状況がどのくらい怖いか」を階層表として整理し、一緒に確認しながら練習の計画を立てます。
回避行動は「がんばれば行ける」ではなく、少しずつ慣れることが大切です。 当院では、日常の生活の中で取り組める“現実的な範囲の練習”を相談しながら進めます。
当院における広場恐怖の診療の工夫
- 初診では行動分析を行い、「どの状況で不安が強くなるか」を整理します
- 階層表を作成し、無理のない段階的暴露を一緒に計画します
- 「不安な予測」が強い場合、マインドフルネスによる考えとの距離の取り方を練習します
- 疲労や睡眠が不安に影響している場合は、生活リズムの調整を行います
併存症の評価
広場恐怖はパニック障害と併存することが多いため、必要に応じてパニック症状の評価も行います。
身体の症状が不安を強めている場合には、
身体表現性障害・
機能性ディスペプシア・
過敏性腸症候群
の可能性も確認します。
繰り返す発作が中心の場合は、パニック障害 のページもご覧ください。
診療時間
| 月 | 火 | 水 | 木 | 金 | 土 | 日 | |
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| 昼診 | ○ | ○ | × | × | ○ | ○ | × |
| 夕診 | ○ | ○ | × | × | ○ | ○ | × |
昼診 10:30-14:00 夕診 15:00-19:00

