2021/12/16 : 精神科と心療内科の違いとは
当院が標榜しているのは精神科と心療内科なのですが、精神科と心療内科の違いというのはご存知ない方も多いのではないかと思います。私も大学で習うまで知りませんでした。
精神科
うつ病、双極性障害、パニック障害、強迫性障害、PTSDといった疾患(専門的な話になってしまうと、DSM-5というマニュアルで規定されている疾患や、ICDのFコードの疾患)
心療内科
主に心身症に含まれる疾患
では、心身症とは何かというと、心理社会的な要因が強く関連した身体疾患のことです。胃潰瘍や甲状腺機能異常といった検査所見に異常がみられる疾患(器質的な異常)も、検査所見には異常がみられない疾患(機能的な異常:過敏性腸症候群や機能性ディスペプシア、慢性便秘症、筋緊張性頭痛など)、両方が含まれます。
当院では心身症のうち、検査所見には異常がみられない疾患(機能的な異常)のみ対応しております。私が知る限りですが、メンタルクリニックの多くは同様なのではないかと思われます。
当院で診療している疾患リストを見返してみたところ、「むずむず足症候群」だけ上記の「精神科」「心療内科」の定義には当てはまらないのですが、当院でも対応しております。むずむず足症候群は精神科の他、神経内科や睡眠外来などで対応していることが多いようです。
いろいろと説明してしまいましたが、患者さんからすると何科を受診したらよいのかわからないことも多いと思うので、まずは気楽に受診いただければと思います。他の診療科が適切である場合には、何科を受診したらよいかお伝えします。
りさ杁中こころのクリニック 院長
今井理紗